セガサターンで本作の最初のヤツが発売する時は、オタクにとってはかなり大きな名前が何人も参加しているとの
発表があったために、妙な方向で、そしていろんな意味で話題になった。
つまり、広井王子、あかほりさとる、キャラクターデザインに藤島庸介、といった例の面子だ。
しかも、それで発売するのがSEGAである。
だが、一般人には解らないだろうが、こういった組み合わせは自然とマニアックな方向を向いてしまうため、
正常な感覚を持つ人では楽しめなくなる。例えば、あかほりさとるなどは、「爆れつハンター」のような
キャラクターに特化したファンタジー小説を書いている他、「ラムネ」などの、ある種のアニメ関係に
参加していた事もあり、ストーリーの展開はプレイヤーに媚びるだけになるのでは、というような不安が強くなってしまう。
広井にしても同様で、彼の名前が目立ったのはPCエンジンの「天外魔境」辺りからで一般性が無いし、
藤島に至っては、漫画を連載している雑誌など一般人が知っているかどうか怪しい物だ。
しかしこの件に関しては、ファンにとって話題があまりに魅力的すぎたからだろうか、難しい部分など気にする余裕など
無かったらしく、特に追求はされなかった。固定ファンを持つ連中が徒党を組んでゲームを作るというのだから
彼らの鋭い目が曇ってしまうのも仕方が無かったのかもしれない。さて、こういったことを実行してしまうと
商品としては目立ったものにはなっているかもしれないが、内容のほうもまともに仕上がっている、
か、どうかは残念ながら非常に怪しい。
結果を見てみたら、やはりというかなんというか、大変危険な内容になっていたのだが、それでもファンは
不満を持たなかったそうな…。というのが一作目のサクラ大戦の話だ。
本件ではドリームキャスト版で発売された三作目「巴里は燃えているか」を挙げる。
___通常版7800円、初回版9800円、初回版はオルゴール付きだそうだ。
これは、先に表記しておいた方が良いかもしれない。
これはもう、ゲームじゃない。
「新しいタイプのエンターテインメント」とか言うヤツでもない。悪い方向で表現すると、一般では”クソゲーム”に
なるのだろうが、僕はコレをゲームと認めていないので、これをクソゲームとは呼びたくない。
グッズだ。
内容を見ると、「キャラクターがいっぱい登場するソフトウェアのなかに、ゲームがついでに入っている」_となっている。
最初から、オタクとかマニアとか呼ばれる人達を客としてモノを作っていたのだから、こういうモノになるのは
仕方のない事なのかもしれない。しかし、ここまで正常な感覚を持つ人を無視するのは、どうかと思う。
僕はオタク連中とは嗜好が違うので、彼らの言う”このゲームの本質”なんてものは解らない。少なくとも僕の目には、
ケバいキャラクターが、馬鹿馬鹿しい幼稚な話を演じ、幼稚なシミュレーションパートの駒となって、
ひたすらプレイヤーに媚を売っているだけ…にしか見えない。ああ、下らない。
完全に、キャラクターだけのソフトになっている。つまり、キャラクターに熱狂できるオタクにしか楽しめない
仕組みになっている訳だ。普通にゲームをしたがるプレイヤーは、完全に無視されている。…これで7800円!
情けない事に、これがセガから発売された物ときた。あああ、十年前に僕が欲しがっていたセガのゲームは何処へ行った。
メガドライブの頃に活躍した、硬派でストイックなゲームの作り手たちは何処へ行った。
いつから知性のない大きい子供をあやす保育屋になったのだろう。僕にはとても信じられない。
僕は、気取り屋達がセガに関するニュースが報道される度に「セガは変わってしまった」などとほざいていたのを
何度か見かけた事がある。僕はそういうのを見かけるたびに支持派を援護してきたが、さすがにもう、これまでだと思う。
セガは変わった。それもとびっきりに悪い方向へ。
あの下らないソフトを売る腐った会社が、今のセガの姿だ。儲かるだろう。何故ならこのままいけば、
この会社はSquareSoftと同じような利益優先企業に堕ちていく違いないから。
今まで邪魔をしていたプライドを殺し、さっそく消費者に苦痛を与えて金を稼ぐ邪悪な企業になるわけだ!
かつて僕が非難した気取り屋達に、この場を借りて謝罪したい。
彼らは、サターンの途中の辺りから、この状態になることを予測していたのだ。彼らこそが真の有識者だったのである。
有識者に他人の立てた理論で無謀にも立ち向かった僕は、かなり阿呆だったろう。ああ今からでも許してくれない物か。